入門者向けの家庭用3Dプリンター6選!価格と購入のポイント【2018年版】
現在は、3Dプリンターも様々な機種が出ています。入門者の方から、よく言われるのが「どれを買ったらいいかよく分からない?」というコメントです。
3Dプリンターは、価格や性質も様々で、スペック表だけを見てもなかなか実際の使用感はわかりません。
そんな中で、初めて3Dプリンターを買う入門者向けの3Dプリンターとして、10万円前後のおすすめ機種をご紹介したいと思います。
3Dプリンターを買う場合に認識する必要があるのが、3Dプリンターは「加工機」だということです。
電子レンジのような完成された家電製品とは違い、データを送ってスイッチを押せばチンとできるタイプの機械ではありません。
様々な3Dプリンターを使用した経験から、入門者が3Dプリンターを購入する場合のポイントもご紹介したいと思います。
失敗しない家庭用の3Dプリンター購入のポイントとは
3Dプリンターを買うときに「造形が綺麗な物が欲しい」と思うのはわかりますが、価格帯が近い物はあまり綺麗さの差はないと考えて良いです。
それよりも、入門者が3Dプリンターを買うときに重視した方がいいのは、ズバリ「使い勝手」だと思います。
10万円ぐらいの3Dプリンターは、スペックはほぼ同じなので、本来は造形物の綺麗さには大きな差はありません。
しかし、「使い勝手」が悪いと本来の性能が発揮できず、綺麗なプリントができなくなります。
よく、「このプリンターは性能が悪い」と言っている人の話を聞くと、使い方に自体問題があるケースがほとんどなのです。
それは、3Dプリンターが「家電」ではなく「加工機」だからなのです。しかし、初めてプリンターを買う場合に、本来は業務用である「加工機」を使いこなすのは難しいです。
そこで、10万円前後の家庭用3Dプリンターで、「使い勝手」を左右するポイントをご紹介したいと思います。
3Dプリンターの使い勝手を左右するポイント
高さの調整が自動のオートキャリブレーション
3Dプリントを失敗する原因の第一位は、「高さ調整の失敗」だと思います。多くの3Dプリンターは高さの調整を手動で行うものが多く、ノズルとベッドの間に紙を挟んだりして調整をします。
しかし、「手動調整」は加工機の扱いに慣れた人じゃないとなかなか難しいです。
そこで、3Dプリンターの入門者には、高さや台座を自動調整してくれる「オートキャリブレーション」機能を搭載したものがおすすめです。
ソフトの使い勝手
3Dプリンターでの出力が難しいのは、元がプロ向けの加工機だったがゆえにソフトの扱いが難しいからです。
多くの3Dプリンターは、ソフトは自社では開発せず、Reprapオープンソースを使いのが一般的です。
Reprapで作られたソフトは、性能は悪くありませんが、設定項目が多すぎて普通の人が使うのはかなり難しいです。
そこで、入門者にオススメなのが、3Dプリントのソフトを自社で作ってるメーカーです。(しかも日本語で)
自社開発のソフトは、使い勝手が良い場合が多いので、3Dプリントでのストレスを大幅に軽減してくれます。
サポート体制について
ここでは、使いやすい3Dプリンターに絞ってご紹介しています。それでも、マニュアルを読んだだけで使える人は少数派です。
なので、サポート体制が重要です。ある程度使いこなせるようになるまでは、電話やメールでのサポートが充実しているメーカーや代理店での購入がオススメです。
積層ピッチを鵜呑みにしない
3Dプリンターを選ぶ場合に、積層ピッチを気にする人が多いようです。しかし、スペックで表記されている積層ピッチは、参考程度に見ておいたほうがいいと思います。
例えば、積層ピッチ0.025mmのプリンターと0.15mmのプリンターを比較すると、0.15mmのプリンターの方が造形物が綺麗なことが珍しくありません。
積層ピッチというのは、縦軸に造形物を積み上げていく細かさのことです。
ただ、積層が細かければ細かいほど、綺麗に造形できる分けでもありません。
3Dプリントの造形品質は積層ピッチだけでなく、温度や素材、造形スピードなど様々な要因で左右されます。
それに3Dプリンターメーカーの中には、相当条件がよくないと造形できないピッチを明記している場合もあります。
3Dプリンターの造形品質を高めるポイント
サポート材の剥がしやすさ
3Dプリントで中空構造のものをプリントすると、素材が垂れないようにサポート材が生成されます。
一般的な3Dプリンターだと、このサポート材が剥がれずらいケースが多いく、剥がすときに造形物を破壊してしまうこともあります。
サポート材の剥がしやすさを左右するのは、基本的にソフトウェアの性能です。ここは、ソフトの出来不出来で大きく異なるので、個別の3Dプリンターで紹介したいと思います。
専用フィラメントが用意されているか
3Dプリントの品質は、フィラメントが左右すると言っても過言ではありません
3Dプリント用の素材であるフィラメントは、様々な会社から販売されています。同じ素材でも値段は様々なので、なるべく安いのを買う人が多いと思います。
しかし、入門者はなるべくメーカー純正のフィラメントを購入したほうが良いと思います。
それは、フィラメントによって設定温度や、造形スピードの設定がバラバラだからです。しかも、公開されている設定値も幅が広すぎるので、独自で購入したフィラメントで出力がうまくいくことは稀です。
なので、メーカーの公式フィラメントが用意されているプリンターか、推奨フィラメントを用意されている機種を選びましょう。
完全密閉のボックス型かどうか
家庭用の3Dプリンターは、PLA専用機である物が多いです。PLA以外の素材を出力するには、台座が加熱されるヒートベットを備えている必要があります。しかし、ヒートベットを備え、スペックではABS対応を謳っている物がありますが、実際は出力すると曲がります。
それは、ボックス型で密閉されたプリンターじゃないと、ABSが出力できないからです。形を見るだけならPLAでも良いのですが、PLAは固すぎる素材であと加工ができません。
ABSをちゃんと出力するには、温度管理ができる密閉ボックス型である必要があります。
おすすめの家庭用3Dプリンターの価格【2018年版】
UP mini2(アップミニ2)
入門機なのにプロ仕様3Dプリンター
- 機種名:UP mini2
- メーカー:Tire Time
- 最大積層ピッチ:0.15mm
- 造形面積:120×120×120mm
- 自動キャリブレーション:あり
- ソフト:独自ソフト
- 価格:¥99,800(税別)
- 販売サイト
使い勝手のよさで定評のあるUPシリーズの小型プリンターです。
UPシリーズは、価格帯は家庭用ながら極めて寸法精度が高く
業務用にも使われている機種です。
独自ソフトの「UP Studio」は使い勝手もよく、オートキャリブレーション機能も備えているので、初めて3Dプリンターを買う人にオススメのプリンターです。
完全密閉型で、ヒートベットも備えているので、ABSを安定して出力できる貴重なプリンターです。
現在の3Dプリンターのスペックで考えると、積層ピッチが低く感じますが
サポート材も剥がしやすく、造形品質も業務用レベルと高い品質です。
公式フィラメントもABSやPLAなどの基本素材に加えて、木質やゴム素材なども用意されています。
中国メーカーの製品ですが、販売代理店では日本語での電話サポートを行っている所もあります
UP PLUS2(アッププラス2)
使い勝手のよさで定評のあるUPシリーズの中型プリンターです。
- 機種名:UP PLUS2
- メーカー:Tire Time
- 最大積層ピッチ:0.15mm
- 造形面積:140×140×140mm
- 自動キャリブレーション:あり
- ソフト:独自ソフト
- 価格:¥152,000(税別)
- 販売サイト
UPシリーズは、価格帯は家庭用ながら極めて寸法精度が高く業務用にも使われている機種です。
独自ソフトの「UP Studio」は使い勝手もよく、ノズルやプラットフォームのオートキャリブレーション機能も備えています。
UP PLUS2は、ボックス型ではありませんが、ABSを安定して出力することができます。(あまり大きいと曲がります)ABSを出力しながら、造形中の様子が見られる貴重なプリンターですl。
現在の3Dプリンターのスペックで考えると、積層ピッチが低く感じますが
サポート材も剥がしやすく、造形品質も業務用レベルと高い品質です。
中国メーカーの製品ですが、販売代理店では日本語での電話サポートを行っている所もあります
Finder(ファインダー)
使い勝手に優れたPLA専用プリンター
- 機種名:Finder
- メーカー:FLASHFORGE
- 最大積層ピッチ:0.05mm
- 造形面積:140×140×140mm
- 自動キャリブレーション:あり
- ソフト:独自ソフト
- 価格:64,500円(税別)
- 販売サイト
フラッシュフォージ(FLASHFORGE) 3Dプリンターで、非常に使いやすく造形も綺麗なプリンターです。
専用ソフトのFlashPrintは使い勝手がよく、ストレートや枝型などサポートの生成もコントロールできます。
オートキャリブレーション機能も備えており、使い勝手は優れています。ただ、ヒートベットではなく密閉ボックスではないので、PLA専用機と考えた方がいいと思います。
公式フィラメントも用意されており、造形品質は高いです。
電話やメールでのサポートも行っており、サポート体制は手厚いようです。
ダヴィンチ Jr. 1.0 Pro
低価格のPLAプリンター
- 機種名:ダヴィンチ Jr. 1.0 Pro
- メーカー:XYZプリンティング
- 最大積層ピッチ:0.1mm
- 造形面積:150×150×150mm
- 自動キャリブレーション:あり
- ソフト:独自ソフト
- 価格:69,800円(税別)
- 販売サイト
低価格プリンターで定評のある、XYZプリンティングの「ダヴィンチシリーズ」のエントリーモデルに当たる機器です。
独自ソフトとオートキャリブレーションを備え、プリンターとしての使い勝手は悪くないと思います。
公式フィラメントが整備されているのと、ノズルの温度が調整可能なので、他社のフィラメントも使うことができます。ただ、ヒートベットはないので、基本的にはPLA専用機です。
QIDI TECH X-1
- 機種名:QIDI TECH X pro
- メーカー:QIDI TECH
- 最大積層ピッチ:0.1mm
- 造形面積:230 x 150 x 150mm
- 自動キャリブレーション:なし
- ソフト:独自ソフト
- 価格: 99,800(税別)
低価格で色んな素材を使いたい人向けの3Dプリンターです。フロント面のタッチスクリーンで操作も簡単です。
完全密閉型の筐体で、ヒートベットを備えているのでABSの出力も可能です。
ただ、オートキャリブレーションは備えておらず、ソフトも英語版なので、ある程度加工機を使ったことのある人向けだと思います。
サポートは、英語でのメールだけなので、ちょっと上級者向けのプリンターだと思います。
ダヴィンチ 1.0 Pro
低価格の大型プリンター
- 機種名:ダヴィンチ 1.0 Pro
- メーカー:XYZプリンティング
- 最大積層ピッチ:0.1mm
- 造形面積:200×200×200mm
- 自動キャリブレーション:あり
- ソフト:独自ソフト
- 価格:95,000 (税抜き)
- 販売サイト
低価格プリンターで定評のある、XYZプリンティングの「ダヴィンチシリーズ」のミドルモデルに当たる機器です。
独自ソフトとオートキャリブレーションを備えています。さらに、同価格帯の中では、造形面積が200mm四方と大型です。
完全密閉でヒートベットを備えたいるので、様々な素材を使うことが可能です。
ただ、ABSを出力するとやや曲がりやすく、寸法精度はあまり高くないです。